| HFDJプログラムの背景 |
- 背景と目的
- HFDJ教育資金援助プログラムの特色
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背景と目的
セブ島マンダゥイ市には、他島やセブの農村地域から仕事を求めて移住してきた人が、あちらこちらにスクォッタエリア (無断居留地)と呼ばれる居住区を形成しています。それは、政府の土地、海上、川の上などに無断で家を立ててできた密集地帯です。 セブでは、合法的に土地を借りて(実際は借地代をなかなか支払えない状態があります)密集して建てられた地域も、スクォッタ ーエリアと呼ばれています。
家と言っても、トタンや板、布で組み立てられた小さく粗末な掘っ立て小屋がひしめきあっている状況で、その中には、たたみ 6畳の1間造りの家に、10人家族が寝起きしている状況があったりします。大雨の時には雨漏りがし、下水道がありませんので、床上浸水になることがたびたびです。トイレのない家も多いため、 悪臭がこもり大変不衛生な状況があります。また水道が通っている家も少なく、多くは水道がある家で飲み水を買い、洗濯や シャワーの水は井戸からくみ上げる形となっています。
他島や農村地域の貧しさのために都会に仕事を求めて出てきたものの、実際には仕事が見つからないために、このような状況 が起こるわけですが、仕事が見つからないのには、それなりの社会的理由もあるわけです。つまり、フィリピンは日本以上に学歴 社会であり、大学を卒業していなければデパートの店員としても働くことが難しいと言われます。しかしスクォッタエリアに住む 人々のほとんどは、低学歴で小学校を卒業していればよい方なのです。そこで女性は洗濯やお手伝いさんとして働くこともできますが、 男性の場合は、まず働き場所がなく、昼間からぶらぶらしている有様です。
そんなわけで、平均生活収入は、約2,000ペソ(約5,000円)で、マニラの貧困ラインの水準をはるかに下回っています。 ですから実際、その日食べていくのがやっとの状況で、余分なたくわえがありませんから、家族が病気になった場合には、治療を 施せず命を落とす最悪の事態を迎えることもあります。
食生活はご飯が主食ですが、収入によっては、お米を買えず、お米より少し安いコーンを砕いたようなものをご飯代わりにしています。おかずの多くは魚の干物を油であげたもの、ギナモスという小魚(しらす)を塩に漬けたものなどです。少量の塩辛いおかずとごはんという形の食生活が、腎臓病や高血圧の発生率の高さとも関係しているのかもしれません。 栄養失調とまではいかずとも、子どもたちは、身長体重ともに平均より低く、ビタミン不足で、肺に異常のある子も多く見られます。 不衛生な為、結膜炎が時期的にかならず毎年流行し、頭にはしらみがわいている子、お腹には寄生虫のいる子も多い状況です。フィリピンのこうした貧困の問題を解決するには、統合的なプロジェクトが考えられていかなくてはならないでしょう。
第一に、保険衛生指導が必要と思われます。トイレや水道設備などの衛生施設が改善され、大人に対する、保険衛生や栄養 についての教育がなされていく必要があります。
また第二に、収入を向上・安定させた生活が営まれるための方策が必要と思われます。そのためには、就労率を上げる 方策が検討されていかなくてはなりませんが、実際に就労できるための技術を身につけさせる職業指導訓練が必要と思われます。
そして第三に、親と子供の意識改革としての教育指導が必要です。スクォッターエリアに住む人々は低学歴でよい仕事につ けません。よい仕事につけませんから、生活に苦しく、子どたちにもその生計の負担を負わせることになります。結局、教育を受け ずに育った子どもは、同じように低学歴のため、低収入の仕事を見つけることに苦労するか、スラムの中でぶらぶらするようになる だけなのです。このような悪循環を断ち切るためにも、子どもたちに実効性のある教育を受けさせる必要があるわけです。 また、大人たちに対しても、現状認識と改善のための啓発教育活動や、親子教育のあり方についての指導などが必要とされることでしょう。貧困の問題を解決するには、こうした様々な方策を統合的に実施していくことが、大切であると思われますが、HFDJに可能な現 段階の取り組みとして、子供たちへの実効性のある教育援助を考え、そのためのプログラムを現地の協力団体MHDSCの協力を得て、 2001年10月より開始しております。
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HFDJ教育資金援助プログラムの特色
フィリピンでは、1980年代から1990年代初頭にかけた教育改革により、1995年より、初等および国立での中等教育の無償制が導入されました。 つまり、国民が教育を受ける権利を持つことと、経済的事情などにより学校教育を受けられない者に教育の場を提供する義務が規定されたわけ です。にもかかわらず、スクォッターエリアの子どもたちは、学校へ行っておりません。社会保障の整った日本では、教育を受けることは国民の義務であると考えられます。しかしフィリピンでは、必ずしもそのようには考えられないようです。 というのも、日本では、社会保障として生活保護などの制度があり、生活に困るような家庭の子どもも、無償の学校へ行ける仕組みがありますが、 フィリピンではこのような制度がありません。
ですから生活に苦しい家庭の親は、教育が無償であるとしても、今子どもに生計を助ける能力があれば、実際に収入を得させる方がよいと思っていたり、 上の子どもにたくさんの弟妹の面倒を見させた方がよいと考えていたりすることがあります。
また、教育費は無償でも、実際には制服や靴やかばん、 学用品、教材費、昼食代など様々な支出が負担になり、学校へ通わせることへの困難さがあります。
さらには、英語とフィリピーノ語という早期 バイリンガルの教育政策が児童の負担になっており、中途退学者が多いわけです。 実際、スクォッターエリアの子どもたちは、学校教育を初めから 着実に積み重ねていることが少なく、途中から学校教育に参加するということになるため、こうした中途退学の可能性が高くなるのです。また、 MHDSCから送られてくる子どもたちのファイルを読みますと、スラム地区の子どもたちは、自分たちが貧しい家庭の出であるといったことから セルフイメージが低く、うまく社会に適応していく力に不足しています。というわけで、フィリピンにおいて教育援助の働きを展開するには、その効果を考えて、これらの諸点が考慮されなくてはなりません。 そこで、HFDJでは、サポート会員に寄せられたサポート金を次のような方針で、子どもたちの育成に役立てることが大切であろうと考えています。第一に、サポート金を現地の学校に送って、学校で使用してもらうというのではなく、適切な審査のもと、学業の必要に応じて家庭に直接送るという方針です。また、先に述べたような諸点を考慮し、基礎学力やフィリピンのスタンダードの学校教育についていけるような補修活動を促進すること、教育やソーシャルスキルの不足、セルフイメージ向上や自己主張訓練の機会を提供するなどの働きに役立てるという方針です。HFDJでは、このような諸点に留意し援助活動をしてい る現地のNGO団体(MHDSC)の働きに協力し、教育援助プログラムを実施しています。
詳しくは、HFDJ Project 104 フィリピン・セブ・プロジェクト基礎資料-2001年度研究報告-(500円/送料込み)をお読みください。郵便切手500円分 同封の上、HFDJ事務局(代表福井誠)宛に郵送にてお申し込みください。
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